歯医者で起こりうる合併症
2024/03/04
こんにちは!
千葉県市川市の妙典駅前にある妙典歯科Nクリニックです。
以前【救急処置と歯科治療】という名目で記事を書きました。
今回は救命処置ではありませんが、歯医者さんで気分が悪くなったりしたときの原因や対応についてご紹介いたします。
主な合併症
歯科治療で起きる主な合併症
・血管迷走神経反射(神経原性ショック、疼痛性ショック)
原因:不安や恐怖心によって緊張してしまうことで起こります。緊張により自律神経である交感神経が優位になってしまうことにより、人間の体は常に恒常性といって一定に保とうとする力が働き、反対である副交感神経も同じかそれ以上に上昇して結果的に副交感神経が優位に突然なってしまうことにより起こります。
症状:血圧低下、徐脈、冷汗、悪心、嘔吐、意識障害、顔面蒼白などの特徴があり、症状や原因を歯科医師が判断して診断を行います。
処置:対処法としてはショック体位といって心臓に血液を送りやすいように仰向けで下肢を心臓より高くして全身に送られた血液を戻しやすくします。また血液に含まれる酸素がショックによって運ばれにくくなるために酸素吸入で酸素量を多くします。重症で可能であれば点滴を用いて外液補充したりアトロピン静注という副交感神経を抑えるお薬をいれたりします。
予防:原因は不安等による緊張ですので、ストレス軽減や鎮静、痛みをなくしたり、大丈夫ですよと声をかけてあげる必要があります。
・過換気症候群
原因:身体的ストレスや精神的ストレスによって呼吸が荒くなり、二酸化炭素の排出量が多くなることで、血液中の二酸化炭素濃度の低下により呼吸性アルカローシスを引き起こします。過呼吸になると更に不安、恐怖がましてしまい、悪循環をおこします。
症状:誰が見ても呼吸があらくなり過換気でうまく息が吸えないような呼吸困難感がでます。テタニー様痙攣、血圧上昇、頻脈、動悸なども歯科医師が判断して診断します。
処置:対処法は息こらえてもらって二酸化炭素を増やします。難しければゆっくり呼吸してもらうことや、状況の説明して不安を解消してもらう必要があります。重症ではベンゾジアゼピン系のお薬を点滴から入れて鎮静を図ります。
予防:SpO₂モニタ ストレス軽減 静脈内鎮静
仰臥位低血圧症候群
原因:妊娠末期の妊婦さんが仰向けで治療を受けると胎児のいる子宮が下大静脈を圧迫してしまうことで心臓に返る血液量が少なくなり、心臓から送り出される血液量も低下してしまいます。
症状:血圧低下、頻脈、悪心、嘔吐、顔面蒼白。先ほどの迷走神経反射と似ていますが、脈が速くなるか遅くなるかなどで鑑別することができます。
処置:対応法は左側臥位への体位変換で子宮の重みを解除してあげることが重要になってきます。
予防:座位や左側臥位での治療
・誤飲・誤嚥
原因:誤飲とは消化管へ流入 咳嗽反射がない
誤嚥とは気管へ流入 咳嗽反射がある
歯科治療上起こりやすい合併症といえます。お口の中で物を出し入れして唾液に触れるとツルツルと滑りやすくなるために飲み込んでしまいやすいのが特徴です。
症状:誤飲はない 誤嚥は肺炎などのリスクがあります。
処置:対処法としては急に体を起こさないことが重要です。起こすとより飲み込んでしまいやすくなります。開口を保持して顔を横に向ける必要があります。
予防:落っこちても大丈夫なようにラバーダムやフロス、ガーゼで喉に行かないように対策します。
当院では確率は低いですが、万が一に備えて常に対応できるように講習を行っております。
ぜひ一度当院でご相談ください。
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妙典歯科Nクリニック
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