患者の観点と歯科医学的な観点

こんにちは！

千葉県市川市の妙典駅前にある妙典歯科Nクリニックです。

 

歯科医療は「口腔内の状態」と「それに対する治療」の2つでできています。

いわゆる原因と対応です。

 

しかし、実際の歯科医院ではそれだけではできていません。

ひとつ例を挙げてみましょう。

 

「歯が痛いから診てほしい」という患者さんがいたとします。

原因は知らず知らずのうちに大きくなった虫歯が神経にまで及んでしまったことによって痛みが出てきています。

 

ここで原因ははっきりしていて治療法も明確です。

治療法としては歯科医学的には虫歯の除去と歯の神経の除去です。

いわゆる根管治療を行っていくのが歯科医学的には正しいのです。

 

ここで患者さんには歯の神経を除去する必要があると伝えられ、歯を削っていくのですが、

患者さんとしては

「虫歯が大きいなんて知らなかった。」

「急に歯の神経を抜くなんて言われても困ります。」

「歯の神経を除去しない方法で治療してください。」

このように思うかもしれません。

 

ではこの場合どうするべきなのか。

 

歯科医療の観点からは

神経を除去しないことは虫歯菌に侵されてしまった部分を残すということ。

神経を除去しないことは痛みを感じる部分を残すということ。

 

一方患者さん観点では

神経を除去するということは怖い。

神経を除去するということは抜いた神経は元には戻らないということ。

 

歯科医師としては最善の方法を提示していて今後のことも踏まえて提示していますが患者さんの気持ちの面も汲み取る必要があります。

 

歯医者が嫌われる理由の一つですね。泣

 

患者さんの希望に反してどうして神経を取らなきゃならないのか説得させ治療を行う必要があります。

また説得できなければ他の歯医者を探しますといわれてしまいますし。

 

当院ではこういった場合は神経や虫歯をある程度除去し一旦残す選択をします。

しかしながら、原因は除去していないので痛みなどのリスクは十分に説明し痛みが持続または増大するなら必ず神経を除去しましょうといわゆる折衷案で治療を行っていきます。

 

虫歯を作ったのは歯医者ではないので患者さんも歯医者さんには優しく接してあげてくださいね！笑