歯医者で使う！PEEK冠とは？

PEEK（ポリエーテルエーテルケトン）は、歯科治療において比較的新しい材料で、特にクラウン（被せ物）やブリッジに使用されることがあります。PEEK冠の特徴やメリット、デメリットについて詳しく説明します。

PEEK冠の特徴

1. 高い耐久性
PEEKは非常に強度が高く、長期間にわたって使用できる素材です。機械的な強度が高く、金属や他の材料に比べても割れにくく、歯の摩耗にも強いです。

2. 軽量で柔軟性がある
金属やセラミックに比べて軽量で、咬合（かみ合わせ）への負担が少なくなります。また、適度な柔軟性があるため、衝撃を吸収する性質があり、歯や周囲の組織にやさしいです。

3. 生体親和性が高い
PEEKは生体材料として非常に安全であり、アレルギー反応がほとんどないため、金属アレルギーのリスクがある患者にも適しています。歯や歯茎に対する刺激が少なく、人体に優しい素材です。

4. 金属を使わないため審美的
PEEK自体は白色に近い色調をしているため、金属を使用するクラウンと違い、見た目が自然です。ただし、PEEKそのものの審美性はセラミックほど高くないため、審美的に重要な部分には適さないこともあります。

5. 軽量で着脱がしやすい
軽いため装着感が自然で、患者にとって負担が少ないのもメリットです。また、咬合圧に対しても適度な柔軟性があり、着脱がしやすいとされています。

PEEK冠のメリット

金属アレルギーのリスクがない：PEEKは金属を含まないため、金属アレルギーの心配がない患者にも使用できます。

軽量で自然な装着感：軽量で装着感が良く、患者が違和感を感じにくいです。

耐久性が高い：摩耗に強く、クラウンとして長期間使用可能です。

生体に優しい：高い生体適合性を持ち、口腔内でのトラブルが少ないです。

PEEK冠のデメリット

1. 審美性の限界
PEEK自体の見た目は自然ですが、セラミックのような透明感や光の透過性はないため、特に前歯のような審美性が重要な部位には不向きな場合があります。そのため、審美的な目的で使用する際には、PEEKの表面に別の審美材料（セラミックやレジンなど）を重ねることが一般的です。

2. 費用が高い
PEEKは新しい材料であるため、セラミックや金属よりもコストが高くなることがあります。保険適用外の場合が多く、患者にとって費用面での負担が増えることがあります。

3. 適応範囲が限られる
強度が高いとはいえ、非常に強い咬合圧がかかる部位や、特に審美性を重視する前歯部には適さないことがあるため、適応範囲が限定されることがあります。

まとめ

PEEK冠は、軽量で生体親和性が高く、金属アレルギーのリスクがない点から、特にアレルギーを持つ患者や、強度と柔軟性を求める部位での使用に適しています。ただし、審美的な要求が高い場合や、強い咬合力がかかる部位では他の素材（セラミックなど）との併用や別の選択肢を検討する必要があります。

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