歯の根っこが割れた
2023/09/04
こんにちは!
千葉県市川市の妙典駅前にある妙典歯科Nクリニックです。
今回は歯の根っこが割れる歯根破折についてご紹介いたします。
歯が割れる場合には大きくわけて3つのパターンがあります。
歯のほんの一部が欠けるチッピングと呼ばれる状態。
歯の頭の部分である歯冠が割れる歯冠破折。
歯の見えていない土台の部分が割れている歯根破折。
それぞれ治療方法はことなり、チッピングではコンポジットレジン修復と呼ばれるプラスチック系(樹脂系)の材料によって欠けた部分を再現して修復する方法。
歯冠破折では割れた大きさの程度によりますが、先ほど述べたコンポジットレジン修復と更に大きくなると型どりをして作成したものをはめるインレーやアンレー、クラウンといった詰め物や被せ物で補なう方法、更に神経の部位にまで破折が及ぶと神経を取る治療(根管治療)が必要になる場合があります。
歯根破折では、基本的には抜歯の適応になります。抜歯以外の方法も場合によっては考えられますが、場合が限られたり、予後が悪いことが多いです。たまに「抜歯じゃなくて、割れた部分をくっつけるだけでいいよ。」とおっしゃられる方もいらっしゃいますが、歯根破折の場合には単純に割れたものをくっつけるということでは済まないのです。
確かに急に抜歯と歯医者さんに告げられて、すんなりと納得のいく方の方が少ないでしょう。
抜歯するからにはそれなりの理由を知って、納得した上で治療を受けるべきだと思います。
ではなぜ、歯根破折は抜歯の適応になるのでしょうか。
まず、歯は歯周組織と呼ばれる、歯を支える歯槽骨、歯のクッション的役割を担う歯根膜、外的から体内を物理的に保護する歯肉などによって歯は守られれています。
またお口の中には常在菌と呼ばれる細菌が無数に存在しています。
歯根破折が起こるとどうなるでしょうか。
歯根が破折するということは歯に亀裂が入るということです。本来はお口の中と歯を支える骨などの体の内部では歯肉などの上皮や歯根膜と呼ばれる結合組織によって隔てられ、守られています。そこで歯根の破折は新たなお口の中の環境と身体の内部をつなぐ道を作ってしまうことになるのです。
破折した歯根は噛むたびに亀裂自体が開いていきどんどんと常在菌が亀裂へと侵入していきます。侵入してきた細菌と身体を守るための細胞は戦い炎症反応を起こします。炎症反応は、細菌のみではなく周囲組織を破壊しながら体を守るために戦っているのです。開いた亀裂には歯ブラシなどは当然行き届かず細菌を減らすことは出来ずに亀裂内部で細菌は生き続け増殖していきます。そのため炎症反応は長期化し更に被害が拡大しどんどん骨を溶かし、戦いぬいた細胞は壊死し膿となり、痛みがでて、歯茎は腫れてくるのです。
これが歯根破折のたどる経路になります。
最終的には歯を支える骨がまったくなくなり自然に抜けるため、そこまで歯を抜かずに使用するという選択もあるかと思います。ただ、抜歯するのと自然にぬけるまで待つのとでは歯を支える骨の残る量が圧倒的に変わってくることと、痛みや腫れなどの症状と向き合う時間が短くなることが大きな違いです。
患者様の希望によりやはり抜歯は避けて残す方向で治療を開始しました。このケースでは亀裂が開かないように被せ物で開く力を抑え込むか、全く咬ませないようにしていくかのどちらかとなります。
ただ抜歯を完全に免れるわけではなくあくまで延命のような処置であることはしっかりご認識いただき治療を行っていきます。
妙典歯科Nクリニックでは根拠に基づいた医療を提供することはもちろんですが、患者様の希望も尊重しておりますので、ぜひ一度当院でご相談ください。
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