根っこの曲がった親知らず

こんにちは！

千葉県市川市の妙典駅前にある妙典歯科Nクリニックです。

 

今回は親知らずについてご紹介します。

親知らずは通常一番奥に生えてきて、前から数えると8番目の歯になります。歯医者さんで8番というと親知らずのことを指します。

 

掲載した上のレントゲン写真はお口全体が写るパノラマレントゲン撮影写真と呼ばれる写真になります。

レントゲン写真で真っ白に写るのが歯に詰めた金属で、黒いところほど何もない空気の部分になります。

このレントゲン写真では3本の親知らずが確認でき、それぞれ向かって一番右の下と上、向かって一番左の下の歯が親知らずです。下の左右の親知らずを比べて見ると向かって左は通常通り上向きに生えている親知らずなのに対して、向かって右は左向きに真横に生えている親知らずです。更に向かって右上は明らかに骨の中に埋まった状態の親知らずです。

親知らずはかなり生え方に差があり、生えていない場合すらあります。

 

今回は向かって右下の横向きに生えた親知らずについて詳しくみていきます。

8番は画像の中心方向に真横に倒れて歯の頭である周りには黒く骨が溶けている像があり、これは臨床上ではよく親知らずの周りの歯茎を腫れさせてしまっている状態が多くあります。

また根っこの付近では下顎管と呼ばれる太い血管や神経の入っている管が接しているように写っています。

根っこの形は太い単根のようにも見えますが一部彎曲しているようにも見えます。今回はここがポイントです！

 

実際親知らずの周りは腫れ、膿も溜まって痛みも出ていました。

治療としては親知らずの抜歯。

理由は周りを洗浄し、腫れや痛みが落ち着いたとしても、深く歯周ポケットのように開いた状態ではポケット底部の汚れは歯ブラシ程度では絶対に除去することが不可能で再発する可能性が非常に高いためです。

横向き親知らずの抜歯では歯を何度か分割することによって小さくして抜歯を行います。

実際抜去された歯の根っこの写真です。親知らずの根っこは1～2根であることが多く、レントゲン写真上では1本にみえていましたが、実際には2根で上側がほぼ70度程度彎曲し下側に見える根っこはまっすぐ右に伸びています。

歯の頭側は除去されていますが虫歯であったため黒くなっているのがわかります。

 

抜歯はこの複雑な形状のため抜去方向に至難し60分程度抜歯に要しましたが無事抜去し原因を除去できています。