親知らずの抜歯どれくらい腫れるの？

右下の親知らずは完全に骨に埋まっていて、埋まっている向きも舌側または頬側に向かって倒れている状態です。この場合には倒れている向きが非常に重要になってくるためにＣＴ撮影で三次元的に診断をする必要があります。

3次元的な評価の結果歯が大きく舌側に傾き歯の上にもしっかりと骨が被っている状態でした。

舌側に傾いているならまだ抜歯しやすいのですが、非常に難しい抜歯がこの時点で推測されます。

幸いなことは下顎管という骨の中にある神経や血管の管とは若干接触している程度でがっつりと接触はしていないことでした。

骨にしっかりと埋まった歯は、まず歯茎や粘膜を切開し、術野を明確にします。その後現れた骨を削り歯を確認します。実際に見える範囲とＣＴ画像で分かった歯の形や位置、周囲の状況を頭の中でイメージしながら歯の分割や抜歯を行っていきます。

歯が抜けると最後には切開した部分を縫合して終わりになります。

通常の抜歯と比較すると切開や骨削除などを行うために出血や痛みが大きくなります。

抜歯後は腫れが2.3日目にピークとして現れます。

左右差はやはり顕著に表れます。今回はしっかりと安静にしていたためそこまで大きな腫れにはなりませんでしたが抜歯後の注意事項を無視して運動したり、喫煙や長風呂など行うとより腫れが大きくなります。ピークは2.3日ですが、徐々に小さくなり長くても2週間で正常な顔つきに戻ります。

また痛みもピークは2.3日目が多いとされていますが、不潔な状態にしてしまったり、抜いた穴に食べかすが溜まってしまうことや、ドライソケットと呼ばれる状態になると1週間後などに痛みが強く出ることがあります。痛みは長い人では4週間、約1か月続くこともあります。

このように腫れや痛みを伴う処置であるために抜歯の日にちは事前に腫れや痛みが出ても問題ない日にちを選んでから抜歯をするようにしましょう。