ガミースマイルと治療法

みなさんはガミースマイルという言葉を聞いたことがありますでしょうか。

ガミースマイルは歯茎（ガム）が笑った（スマイル）時に大きく見えてしまうことを言います！

 

ガミースマイルになるにはいくつかの要素が考えられます。

「上唇」・「歯肉」・「骨格」・「歯」

 

まずはじめに考えられるのは上唇です。

上唇が単純に短い場合にはたとえ口を閉じたときに歯が見えていなくてもそれは下唇がカバーしていることになります。

上唇が短い場合には上唇を伸ばす手術があればいいのですが、残念ながらありません。

 

しかし、上唇は筋肉で構成されています。

筋肉の収縮によって上唇は上に持ち上がるので、上唇が持ち上がりにくければ歯茎が見えることは抑えることができます。

これはボツリヌストキシンを上唇挙上筋に注射する方法で、「ボトックス」治療といった方が聞きなじみがあるのかもしれません。

ボトックスという名前はアラガン社の製品名称のため成分的にはボツリヌストキシン製剤になります。

 

また上唇の可動域は口腔前庭の広さでも決まってきます。

口腔前庭とは、上唇と歯の間にあるスペースのことで、このスペースが広いということは上唇が長く動ける範囲も広いということです。

上唇が持ち上がりすぎないようにこの口腔前庭を縮小する手術もガミースマイルには有効です。

 

つぎに考えられるのは歯肉・骨格の要素です。

これは歯茎は歯を支える骨の部分を覆う形で存在します。

 

骨格的に唇よりも歯を支える骨の部分が長ければ当然見える歯茎の長さは長くなります。

この場合骨を切り、短くした骨をプレートで固定する処置を行うことでガミースマイルを改善することができます。

しかし、ガミースマイルを改善するための処置としては一番大きな侵襲をうける処置になります。

しっかりとした手術になりますので、場合によっては入院なども十分必要になってきます。

 

歯茎単独でもガミースマイルになることがあります。

歯茎が歯の付け根の部分を通常以上に覆うようになってしまっているため、歯が短く見えているのが特徴の一つです。

この場合には必要以上に被ってしまっている歯肉を切除してあげると歯肉ではなく歯が見える面積が増えるためガミースマイルではなくなることがあります。

 

最後に歯による改善方法です。

単純に歯の治療をするということではなく、矯正治療のように歯全体を圧下して歯茎の面積を減らすという方法です。

この治療は他の治療と比較して矯正治療のために時間が最もかかる方法です。

 

 

ガミースマイルの治療はさまざまですので、状況にあった治療を選ぶようにしましょう。