「削れた歯を治せないと言われた」その理由とは?歯科医師が解説
2026/07/23
「削れた歯を治せないと言われた」その理由とは?
歯科医師が解説
1. 「削れた歯を治せない」と言われる主な4つの理由
「削れた歯を元通りに治せない」と歯医者で説明される場合、歯の構造的限界や噛み合わせの問題など、いくつかの明確な理由があります。主に考えられる原因は以下の4つです。
理由①:削れた部分が神経(歯髄)に近く、被せ物ができない
歯が極度に削れて厚みがなくなっている場合、さらに削って被せ物(クラウン)を被せようとすると神経に達してしまいます。神経を残す治療を優先する際、安易に削って被せることができない場合があります。
理由②:噛み合わせのスペース(隙間)がない
歯が削れたことで対向する歯(上下で噛み合う相手の歯)が伸びてきたり、噛み合わせが深くなったりしていると、修復物(詰め物・被せ物)を入れるためのスペースが確保できません。
理由③:歯根(歯の根っこ)まで達する破折・摩耗がある
削れや摩耗だけでなく、根元までヒビが入っていたり割れたりしている場合、上の部分だけを治しても強度を保てないため「修復不可能(抜歯または経過観察)」と診断されることがあります。
理由④:歯ぎしり・食いしばりの力が強すぎる
強い歯ぎしりや食いしばりが原因で歯が削れている場合、素材(プラスチックやセラミックなど)を盛り足してもすぐに割れたり外れたりしてしまうため、単純な修復治療を行わないことがあります。
2. 歯が削れてしまう原因とは?
歯が削れる現象には、虫歯以外に以下のような原因(酸蝕症や摩耗症)が関係しています。
原因状態と特徴
歯ぎしり・食いしばり(摩耗症) 無意識の強い力で歯同士が擦れ合い、すり減ってしまう状態。
酸性の飲食・胃酸(酸蝕症) 柑橘類、炭酸飲料、酢、胃食道逆流症などにより、歯のエナメル質が溶けて削れる状態。
間違った歯磨き(磨耗症) 硬い歯ブラシや強い力で磨くことで、歯の根元などが削れてしまう状態。
3. 治せないと言われた場合の対応策・治療の選択肢
「今の状態では単純に削って被せられない」という意味であっても、状態に応じた対策や別のアプローチは存在します。
・マウスピース(ナイトガード)の着用
これ以上歯が削れるのを防ぐため、就寝時にマウスピースを装着して歯を保護します。
・噛み合わせ全体の治療(全口的なアプローチ)
1本の歯だけを治すのが難しい場合、お口全体の噛み合わせの高さを調整・再構築することでスペースを作り、治療を行うアプローチです。
・ダイレクトボンディング(コンポジットレジン修復)
歯を大きく削らずに、削れた部分だけ特殊な樹脂を盛り足して修復する方法です(適応条件があります)。
・生活習慣・食事の改善
酸蝕症が原因の場合は、酸性飲料の摂取頻度を見直すなどの予防策を並行して行います。
4. よくある質問(FAQ)
Q. 削れた歯を放置するとどうなりますか?
A. エナメル質が失われると、知覚過敏が起きやすくなったり、虫歯が進行しやすくなったりします。また、噛み合わせが崩れて周囲の歯や顎関節症に悪影響を及ぼす可能性があります。
Q. セラミックなどで見た目だけでも綺麗に直せませんか?
A. 噛み合わせのスペースがない状態でセラミックを入れても、強い咬合力ですぐに割れてしまいます。まずは噛み合わせの確保や歯ぎしり対策が優先されます。
まとめ:諦めずにまずは専門医へご相談ください
「削れた歯を治せない」と言われた場合でも、それは「現時点で安易に詰め物や被せ物をすると、かえって歯の寿命を縮めてしまう」という歯科医師の診断に基づいているケースが多くあります。
当院では、お口全体の噛み合わせや削れた原因をしっかり診察した上で、最適な治療法・予防法をご提案しております。お気軽にご相談ください。
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